革靴はどんなサイズを選ぶ?種類で変わる選び方のポイント

ビジネス、フォーマル、カジュアルな場面に幅広く通用する革靴は、スニーカーとは違う大人なファッションを楽しめるアイテムです。しかし、もっとオシャレに革靴を履きこなしたい、これから革靴をファッションに取り入れたいと考えている人にとっては、ある程度の知識がないとハードルが高いのも事実です。そこで今回は、革靴の基本的な知識を整理しながら、革靴の選び方を紹介していきます。

革靴の適切なサイズとは?種類で異なるサイズ感

出典:anyaberkut / ゲッテイィイメージズ

ピッタリのサイズが適正な革靴を選ぶ

革靴でいうピッタリのサイズとは、捨て寸(すてすん)を考慮したサイズのことです。革靴には、足のつま先部分に遊びの部分があらかじめ設計されており、これを捨て寸と呼びます。初めて革靴を試着した時、「これ、つま先が余り過ぎでは?」と困惑した方もいることでしょう。しかし、それで問題はないのです。革靴は材質が皮ですので、スニーカーや運動靴と違って柔軟性が低い履物。つま先部分に捨て寸がなければ、ギチギチに固められて足を痛めてしまうことになります。
捨て寸がない靴では特に指先への負担が相当なものとなり、痛くて歩けなくなることもあります。捨て寸を考慮しないで革靴を選んでしまった初心者によくありがちなのですが、地面に足裏全体が接地している直立状態で革靴を履いてしまうと、「ピッタリだ!」と勘違いしてしまいます。捨て寸のところまでつま先が達しているのに、直立だから「つま先が痛い」ことに気づかないのです。ためしにその靴を履いたまま歩いてみると、サイズに無理があることがわかります。

捨て寸が意味を持つのは、革靴を履いて歩いた時なのです。歩行すると、革靴の中で足が動いて、つま先が捨て空間的に余裕のある寸部分に逃げてくれます。

以上のように、革靴は基本的に捨て寸を考慮したサイズを選ぶのがセオリーとなります。

やや大きめのサイズが適正な革靴を選ぶ

次に、かかと部分に注目しましょう。革靴を履いで紐を結んだ時、かかとはどのような状態になっているでしょうか? 試しに歩いてみてください。かかとが浮いたり、かかとに指が入るくらいの隙間ができてしまう場合は、サイズが大きい証拠です。革靴のかかと部分(ヒールカップ)のジャストフィット感は、捨て寸と同じくらい重要なポイントです。捨て寸にはゆとりがなければダメですが、かかと(ヒールカップ)にはゆとりがあると靴擦れを起こしてしまいます。

また、革靴の横幅にも着目してみましょう。指先の付け根全体を「ポールジョイント」と言いますが、この部分が革靴の横幅とフィットしているかどうかも靴擦れを防ぐための重要な観点となります。革靴の捨て寸の直前の部分に、小指がどう接しているかを確かめてみてください。小指側面がちゃんと革靴に接していればフィットしています。しかし、小指の一部の部分だけが革靴に接している状態は、サイズが適正ではありません。
かかと部分はピッタリ、捨て寸はゆとりある大きめサイズ。これが革靴選びの基本です。

適正な革靴のかかとの高さは?合理性か見た目か

出典:nikkytok / ゲッティイメージズ

かかとの高さについても見ていきましょう。

歩いていて疲れないかかとの高さで選ぶ

革靴のヒールには、低くてぺったんこのものもあれば、高くてスマートに見えるヒールもあります。歩きやすさを比べたとき、果たしてどちらに軍配が上がるのでしょうか? 端的に言えば、意外にも高いヒールのほうが歩きやすさに優れています。

ヒールが高いということは、着地時の衝撃を吸収できるということです。これはランニングシューズでも同じことが言えます。かかとが高くなっているのは、かかとに伝わる衝撃を軽減するためです。また革靴のヒールが高ければ、背を高く見せられますし、姿勢が安定するのでスラリと引き締まります。もちろん、ぺったんこの革靴ヒールもオシャレで根強いファンもいます。ファッション性を楽しみたいなら、そちらの選択肢もアリでしょう。

スタイルや状況に応じた革靴選びのポイントを紹介

出典:AGCreativeLab / ゲッテイイメージズ

ここでは数ある種類のなかでもポピュラーな革靴を紹介していきます。

革靴の種類ってどれだけあるの?定番3種類を紹介

①プレーン
余計な装飾がなく、スッキリとした見た目の革靴。ビジネスなどのフォーマルなシーンからカジュアルまで幅広く履きこなせます。

②ストレート
プレーンと見た目は似ていますが、捨て寸の部分に「横線」が入っているのストレートタイプの特徴です。捨て寸部分につきやすい履きジワが横線でうまく相殺されて見た目を美しく保つというメリットがあります。こちらもビジネスからカジュアルまで幅広く履けるため、一足持っていると便利です。革靴を履いてたくさん歩きたいなら、履きジワのつきにくいストレートタイプをオススメします。

③ホールカット
革靴好きにはたまらない高級感のある一足。たった一枚の皮だけで作られたホールカットは、表面に一切の無駄な装飾がなく、スッキリかつ上品な見た目になっています。一枚皮製法なので、プレーンやストレートよりも多少値は張りますが、この一足さえあれば足元のオシャレはバッチリ。このホールカットも、ビジネスからカジュアルまで幅広く使えます。

ビジネスシーンにふさわしい革靴とは?

ビジネスの場では上記に紹介したプレーン、ストレート、ホールカットを履けば問題ないでしょう。派手な装飾を強調した「ウィングチップ」などの種類はあまりオススメできません。経営者クラスの方がたまに履いていますが、一般のビジネスマンには向いていません。

冠婚葬祭にふさわしい革靴とは?

こういったシーンでは、ストレートチップが無難だと言われています。結婚式の際は多少色のバリエーションに自由が利きますが、お葬式の際には黒一択です。

まとめ

出典:DragonImages / ゲッティイメージズ

革靴はとても奥が深い靴です。ちゃんとした事前知識があれば、ファッションの幅が一気に広がりますよ。「いままでスニーカーばかり履いてきたけど、そろそろ大人っぽいファッションにしたいな」と思っている方は、ぜひこれを機会に革靴ファッションの扉を開いてみてくださいね。

キーワード